物置がさびてきたからちょっと自分で塗ろうかな。

物置塗装は外壁や屋根塗装と比べると、diyでできる難易度が低い工事です。

物置塗装の目的

塗装は物置を外部の環境要因から守ります。日光、風、雨、雪などの天候の影響を受けることで、物置の表面がさびて、劣化しやすくなります。

さびがひどくなってくると物置の部品が欠落したり、物置そのものが腐食により破損してしまったりして、物置としての役目を果たさなくなってしまいます。一度腐食してしまうと、物置もしくは部品そのものを交換しないといけないので、メンテナンス費用が高くなってしまいます。

塗装は物置の外観を美しく保つ役割も果たします。劣化によって変色した物置は、どうしても見た目が不格好になってしまいますが、定期的な塗装によって新品同様の美しさを保つことができます。

ですが、物置の塗り替えの最大の目的は「防さび」「さび止め」の二つです。

メーカー別の物置塗装の塗装周期

一般的に物置の塗装周期は、住宅の場合と同じで10年に1回が目安となります。

この章では、各メーカーごとに耐用年数とその特徴について紹介していきます。

イナバ物置

「100人乗っても大丈夫」で有名なイナバ物置は、高級な焼付ウレタン塗装で仕上げられています。この物置は耐食性に優れ、環境に優しい粉体塗装が特徴です。公式サイトには再塗装のタイミングについての具体的な記載はありませんが、一般的なウレタン塗料の耐用年数（7～10年）を目安に考えることができます。

ヨド物置

ヨドコウは物置業界で唯一、鋼板から製品までの一貫生産を行っています。ヨド物置には、耐久性に優れたガルバリウム鋼板の上に、ヨドコウ独自の合成樹脂塗料による2重焼付塗装が施されています。塗装の耐用年数についてはメーカーからの具体的な情報は提供されていませんが、一般的な合成樹脂塗料の耐用年数（6～10年）を参考にすることができます。

タクボ物置

タクボ物置では、サビに強い特殊亜鉛鋼板の上に焼付アクリル塗装が施されています。環境やお手入れの頻度によっても異なりますが、一般的なアクリル塗料の耐用年数（6～8年）を目安に考えることができます。

これで、ご自身の物置のメーカーごとの平均的な耐用年数がわかったと思います。しかし、これは一般的な年数で、物置がおかれている状況やお住いの地域の環境によって、耐用年数は変わってきます。

なので、次の章では物置塗装をしないといけないサインについて紹介していきます。

物置塗装をすべき2つのサイン

メーカごとの物置の塗装周期がわかったと思いますが、あくまでこれらは目安の耐用年数です。ご自身の物置を塗り替える本当のタイミングは、環境や気候によりまちまちです。

そのタイミングを見極めるうえで重要なのは以下の2つのサインです。

チョーキング現象

物置の劣化を防ぐ最強の方法は、物置を保護している塗膜を正常に保つことです。

一般的に、チョーキング現象は、主に外部塗装表面に含まれる顔料が紫外線や気候の影響を受けて劣化し、微細な粒子が表面に浮き出るとによって発生します。この中でも特に紫外線が大きな要因になることが多いです。

物置が完全に腐食しないようにするには、塗料が物置を保護できなくなる前に、塗装してあげることが必要です。

そして、適切な物置塗装のタイミングを知らせるサインの1つがチョーキング現象です。

チョーキング現象が発生した場合は、まず表面を清掃します。その後、塗装を行うことで、表面を再び保護することができます。（後ほど詳しく説明します。）

斑点程度のさび

終わった、もうさびが出てきてしまってる。。。そんなことはありませんよ！

さびが発生していても、斑点程度のさびであればサンドペーパーでさびを除去してから塗装をすれば間に合う可能性があります。

このさびは手遅れなのか、まだ間に合うのかわからない場合は気軽に聞いてくださいね。

ここまで読めば、物置塗装が必要かどうかが判断できると思います。次は本題の「物置塗装のdiyの手順」という、恐らく一番気になるところをプロ目線で解説していきます。

最初にどんな道具が必要なのかを表にして説明していきますね！

物置塗装のdiyに必要な道具

すべての道具を揃えるだけでも、数万円はかかります。なお、この金額には人件費などは含まれていません。

また、塗料や下地は塗る面積が広いほど必要な量が増え、それに応じて費用も増加します。特に大きな物置の場合、材料費だけで10万円を超える可能性もあります。

物置塗装のdiyに必要な塗料

物置は鉄なので、ウレタン塗料を使って塗装するのが一般的です。

以下が私たちがおすすめするウレタン塗料です。

クリーンマイルドウレタン

クリーンマイルドウレタンは、セラミック複合の特殊技術により超低汚染を実現し、微生物汚染を防ぐため防かび・防藻性も備えています。透湿性があり、内側の結露による損傷を防止する効果もあります。環境に優しく、様々な旧塗膜に高い密着性を発揮し、作業性も向上しています。

アレスアクアレタン

アレスアクアレタンは、乾燥性において優れており、水性で臭気も少ないため、作業性が向上しています。また、耐候性と防かび・防藻性を兼ね備えており、これにより美しい仕上がりを長期間維持できます。さらに、防火材料認定品であるため、安心感も確保されています。

水性ファインウレタンU100

水性ファインウレタンU100は、環境への配慮から生まれた塗料で、作業性と仕上がりの品質が優れています。防藻・防かびの特性に加え、透湿性と耐候性も備えており、これにより高い耐久性が実現しています。

物置塗装のdiyの手順

物置の塗装をDIYで行う際の基本的な手順は以下の通りです。これは一般的な手順であり、物置の素材や状態によって手順が変わる場合があります。必ず取り扱い説明書や専門家のアドバイスを確認し、安全対策を守りながら進めてください。

下準備

• 養生ー養生シートを敷いて、ごみや塗料が飛び散らないようにします。
• 清掃ー物置を清掃し、埃や汚れを取り除きます。
• ケレンーサンドペーパを使って浮いている塗膜やさびを除去します。

補修作業

亀裂や穴などがあれば、補修材を使用して修復します。

さび止め

ケレンが終わったらさび止め塗料を塗っていきます。
特にサビの発生しやすい物置の屋根部分は塗り残しがないよう、ダブルチェックが必要です。

塗装作業

適切な塗料を選び、メーカーの指示に従って塗装をしていきます。

一度物置全体を塗装したら、メーカー指定の乾燥時間を空けてから、二回目の塗装をします。

使用する塗料は、さっき紹介したおすすめの塗料の中から選びましょう。

最終確認

塗料が完全に乾燥してから、仕上げの確認を行います。塗り残しや傷があれば、その部分だけもう一度塗っていきます。

最後に、ごみや道具を掃除して工事完了です！

物置塗装のdiyの注意点

物置の塗装をDIYで行う際には、以下の注意点に気を付けましょう！

• しっかり下準備をするー塗装の仕上がりを良くするためにはしっかり下処理をするのが大切です。サビや汚れをしっかりと取り除き、塗料が密着しやすい環境を作ることで、均一な仕上がりになります。
• 適切な塗料の選択ーまちがった塗料を選ぶと、密着不良を起こす可能性があります。先ほど紹介した塗料を使いましょう。
• 乾燥時間を守るー乾燥時間を守らないと塗料が剥がれる原因になってしまいます。メーカーの指示書通りに乾燥時間を設けましょう。
• 安全対策ー特に物置の屋根に上る場合は高所になるので、安全対策（ヘルメットなど）は徹底しましょう。
• 天候の確認ー塗装作業を行う際は、天候にも注意が必要です。雨や風の強い日、極端な気温の日には作業が難しくなります。また、塗料の乾燥にも影響を与えるため、晴れた日を選びましょう。
• 計画と予算の設定ー作業の計画を事前に立て、必要な材料や道具のリストを作成しておくことが重要です。また、予算も考慮し、必要な費用を見積もり、十分な資金を確保することが成功の鍵となります。

物置塗装を業者に頼む場合の相場

物置塗装の相場が5万円から7万円とされている金額は、一般的な概算であり、具体的な価格は複数の要因に影響されます。以下は、その相場に影響を与える主な要因についての説明です。

• 物置のサイズと形状
  物置の大きさや形状は、塗装に必要な材料や労力に直結します。大きな物置や複雑な形状のものほど、塗料の使用量が増え、作業にかかる時間が長くなります。これが費用を高める要因となります。

物置の状態
既存の物置が傷んでいる場合、修復や補修作業が必要となります。サビや腐食の進行具合、劣化した部分の修復に必要な手間が費用に影響します。また、この作業が追加されると総費用が上昇します。

塗装の仕様
使用する塗料や仕上げの種類も費用に影響します。高品質で特殊な仕上げを希望する場合、それに見合った塗料や手法を選ぶことができるが、同時に費用も増加することがあります。

DIYかプロの施工か
塗装作業をDIYで行うか、プロの業者に依頼するかによっても費用が変わります。DIYの場合は材料のみの購入が主体となり、プロに依頼する場合は労働コストが発生します。プロの技術や経験に対する料金も考慮する必要があります。

地域差
地域ごとの生活コストや労働コストの違いが費用に影響します。都市部と地方で価格が異なることがあり、地域差を考慮することが重要です。

これらの要因が相まって、5万円から7万円の範囲が相場とされています。ただし、正確な見積もりを得るには、具体的な状況を業者に調査してもらうことが必要です。

物置塗装の単価を安くする7つの方法

物置塗装工事の単価を安くする7つの方法をご紹介していきます。

紹介するどの方法も、塗装工事の質は下げません。

早速それぞれの内容や注意点を見ていきましょう。

1.相見積もりをとる

物置塗装工事を安く依頼したい場合は、相見積もりをとるようにしましょう。

業者ごとに設定している単価が違うので、相見積もりをとることで客観的に安い金額で工事を依頼することができます。

ただし、注意点としては相見積もりは3～4社に抑え、同じグレードの塗料で見積もり依頼をすることです。

業者が多すぎると比較が難しくなる場合があります。

また、同じグレードの塗料で見積もり依頼をしないと、比較ができません。

私たちの経験上、業者は相見積もりだとわかったらできるだけ単価を落とそうとします。私たちが塗装工事以外で外注する際に相見積もりを依頼するとき、それぞれの業者はほかの業者に価格で負けないように価格を下げて提出します。

こういった理由から見積もりは複数社に依頼しましょう。

2.ほかの工事とまとめて依頼する

物置塗装工事費を下げたいのであれば、ほかの外壁塗装工事や屋根塗装工事とセットで依頼しましょう。

物置塗装工事の塗装範囲は限定的になる可能性があります。物置だけの塗装にかかる作業時間はかなり短くて、塗料の乾燥時間に時間がかかったりします。

塗料が乾くまでの時間に、ほかの塗装箇所があれば作業を続けることができます。結局運搬費や、職人の給料は一定なので、ほかの工事とセットで依頼する方が安くなります。

物置塗装に足場が必要な場合は、屋根工事などどセットで行うとよりお得に工事を依頼できます。

3.塗料のグレードを下げる

塗料のグレードを低くすれば物置塗装工事の費用は安くなります。

ただし、野ざらしにされるような場所にアクリル塗料を使用してしまうと、メンテナンスの間隔が短くなってしまいます。

紫外線が多く当たる場所や雨風にさらされるような場所にはシリコンやフッ素塗料を使って、メンテナンス費用を抑えるようにしましょう。

4.キャンペーンを利用する

塗装会社にはキャンペーンを実施しているところもあります。

その塗装会社にもよりますが、キャンペーンを利用すると平均で1割～3割程度安く工事を依頼することができます。

よくあるキャンペーンの内容は次の通りです

• 初荷工事キャンペーン（年始に工事をするという条件）
• 在庫一掃キャンペーン（使用する塗料や色は限られる）
• 紹介割キャンペーン（紹介した側・された側どちらもお得）
• WEB申し込み限定キャンペーン（WEBで申し込むと10％offなど）

こういったキャンペーンの告知は、塗装会社のホームページで記載されていることが多いので、業者を選ぶときに確認しましょう。

しかし、気を付けないといけないのは、キャンペーンを口実に詐欺を働く悪徳業者の存在です。

悪徳業者がよく使う文言にこんなのがあります。

• モニター価格で施工します
• 今申し込んでいただいた方には50％offで施工します

5.閑散期に塗装する

塗装会社が暇なときに塗装工事を依頼すると、安く工事を依頼できる場合があります。

塗装会社の繁忙期は春・秋で、閑散期は夏・冬です。

塗装会社は閑散期に仕事を取りたいため、値引き交渉がしやすくなります。

実際に私たちも、過去に値引きをしたことがあります。そのお客様は夏終わりに工事依頼をしてくださったのですが、工事時期に特にこだわりはありませんでした。そのお客様は「冬に工事を依頼すれば、値引きしてもらえますか？」とおっしゃられました。私たちてきにも、閑散期の冬に工事ができるのが保証できるので、快く値引きさせていただきました。

値引きできるかどうかは、その塗装会社の仕事の入り具合やルールによって変わりますが、私たちの経験から値引きできる可能性は高いです。

しかも、この方法をつかって安く工事を依頼しても、工事の品質は全く変わらないところも魅力です。

6.火災保険を使う

台風や強風、大雪などで破損した場合、火災保険を使うことができます。

火災保険を使えるかどうかに、次の条件があります。

1. 風災補償に加入している
2. 3年以内の被害
3. 20万円以上の工事

火災保険を使いたい方は必ず契約前に審査が下りるのかを確認しましょう。

7.助成金・補助金を使う

自治体から出る助成金・補助金を使って工事を安くすることもできます。

ただし、助成金・補助金が使えるかどうかはお住いの自治体によって変わって来るので、あなたの住んでいる地域の自治体の条件を確認しましょう。

この7つの方法を使って、できるだけ安く塗装工事を依頼しましょう。しかし、いくら塗装工事を安く依頼できたとはいえ、最初話していた条件とは違う、または仕上がりが思ってたのと違ったら最悪ですよね。

そこで、最後にちゃんとした塗装会社の探し方についてお話していきたいと思います。

鉄部塗装の優良業者の探し方

この記事で紹介したことを踏まえて、最後に鉄部塗装の優良業者の探し方を紹介したいと思います。

施工実績を確認する

多くの塗装会社のホームページでは、「お客様の声」や「施工実績」、「工事レポート」といった名前で施工実績を公開しています。

施工実績をしっかり公開しているかどうかももちろん大切ですが、もっと大切なのはその中身です。その施工実績が写真を含むわかりやすく、具体的な内容なのかを確認する必要があります。

例えば、「お客様の声」として公開しているページに画像が含まれていない場合、それは捏造されている可能性があります。

文章とともにお客様の笑顔やお家の外観の写真が含まれている場合、それは本当に実績である可能性が高まります。

施工実績を公開するということは、自分たちの腕に自信があるともいえます。業者を選ぶ際は施工実績を写真付きで公開しているところを選びましょう。

地域密着の塗装業者を探す

適切な価格で良質な工事をしてもらいたいなら、地域密着型の塗装業者を選びましょう。

ざっくり、大手のリフォーム会社の仕組みを説明します。ほとんどの大手リフォーム会社は、自社で職人チームを持っていません。基本的に請けた仕事は、下請け業者やパートナー契約を結んだ外部の塗装業者に依頼します。そして、大手リフォーム会社は、手数料としてマージンを受け取ります。また、宣伝費にも莫大なお金をかけています。

その点、自社施工の地域密着型塗装業者はそういった種類の費用は発生しません。

新鮮な野菜を安くで買いたければ、スーパーで買わずに農家から直接買いましょうということです。

アフターフォローを確認する

優良業者を見極めるためには、アフターフォローの確認は欠かせません。

鉄部塗装が終わって、はい終了の業者に仕事を依頼してしまうと後々とんでもなく後悔してしまうかもしれません。

基本的にアフターフォローに関しても、塗装会社のホームページで公開しているので、そちらを参考にしましょう。

保証を確認するときに大切なのは、「どういったトラブルに対して、どこまで保証されるか」というところを理解することが大切です。

アフターフォローには保証以外にも、定期点検があります。お家の健康状態を長期間維持していくうえで、定期的な点検サービスを提供している塗装会社を選ぶようにしましょう。

物置塗装の方法について

物置塗装の工事を依頼する前に、まずは物置塗装の役割や必要性を理解しましょう。

また、あなたのお家の鉄部が本当に塗装しないといけない状態なのかを判断しないといけません。基本的には5年ごとの塗装が必要です。ただし、チョーキング現象や斑点状のさびが発生している場合は、できるだけ早く塗装しないといけません。

実際に塗装が必要だと判断した場合は、相場単価を理解し、できるだけ安く工事を依頼できる方法を使って、お得に物置塗装工事を行いましょう。

ちなみに、優良業者の特徴は、施工実績、アフターフォロー、地元密着型塗装業者です。

物置塗装の方法や単価について書いたこの記事についてわからないことや気になることがあれば、気軽に聞いてみてくださいね！皆さんが最高の塗装業者を見つけれる手助けになれば幸いです。