「台風の後に外壁をみたらひび割れていたけど、このまま放置したらどうなるんだろう?雨漏りとかしてしまうのかな?」、「ひび割れを補修したいけどどうすればよい業者を選ぶことができるんだろう?」、「できるだけ安く工事を依頼したいから火災保険を使いたいけど、申請方法がわからない。」
そういった悩みをお持ちの方、たくさんいらっしゃると思います。
このような不安点を解決するためには専門知識を網羅的に学ぶ必要があります。この記事では、専門用語をわかりやすくかみ砕きながら、台風による外壁のひび割れへの対処方法をご紹介していきます。
目次
目次
- 外壁が台風でひび割れる理由
- 台風によるひび割れを放置するとどうなる?
- 台風によるひび割れには火災保険は使える?
- 台風による外壁のひび割れの場合の火災保険の申請方法
- 台風による外壁のひび割れにかかる補修費用相場は?
- 台風による外壁のひび割れは自分で補修できる?
- 台風による外壁のひび割れを補修する業者の選び方
外壁が台風でひび割れる理由
台風が通過した後に外壁がひび割れる理由として以下の3つのうちのどれかに当てはまります。
- 台風の強風で建物が揺れてひび割れた
- 外壁の経年劣化
- 外壁塗装工事の施工不良
それではそれぞれの理由について詳しくご説明していきます。
台風の強風で建物が揺れてひび割れた
台風の強風で建物が揺れたひび割れた可能性があります。
現在の建物は台風や地震などの衝撃を緩和するために、ある程度揺れるように設計されています。
建物が揺れることで外壁にひびが入ってしまいます。
この場合、表面の外壁塗装だけでなく、外壁材や建物にとって非常に重要な構造体にまでひび割れが発生している可能性があります。
建物の劣化を進めないためにも業者に調査をしてもらうのをお勧めします。
外壁の経年劣化
外壁塗装をして数年後に外壁にひびが入っている場合、外壁表面の塗膜の経年劣化によるひび割れの可能性があります。
現在の塗料の耐用年数は10年前後といわれているので、前回の外壁塗装工事から10年くらい経っている場合は外壁の劣化が原因である可能性が高いです。
ちなみにシーリング材も劣化でひび割れる可能性があります。
この場合は外壁塗装業者に外壁塗装工事を依頼するようにしましょう。
外壁塗装業者の選び方のコツを紹介しているブログがありますので、よければご確認ください。
外壁塗装工事の施工不良
外壁塗装工事の施工不良が原因で外壁にひび割れが生じている可能性があります。この場合にも外壁塗装工事を依頼する必要があります。
施工不良には以下の2パターンがあります。
- 乾燥不足
- 塗料の選択ミス
乾燥不足
塗装工事の工程はこのようになっています。
下塗り→乾燥→中塗り→乾燥→上塗り→完成 |
下塗り、中塗りが終わった後は塗料メーカーが指定している乾燥時間を守って、塗料が乾燥するのを待つ必要があります。
しかし、中には人件費を節約するために乾燥時間を待たずに次の工程に移る悪徳業者がいます。
この乾燥時間をしっかりと確保しないと、外壁にひび割れが発生する原因となってしまいます。
塗料の選択ミス
塗料の選択ミスが原因で外壁にひび割れが発生する可能性があります。
業者が塗料を選択する際に気を付けるべき点が2点あります。
- 下地材(外壁材)と下塗り塗料の相性
- 下塗り塗料と中塗り塗料の相性
まず下地材と下塗り塗料の相性を調べます。下塗り塗料を販売している塗料メーカーが後悔しているパンフレットをみて、どの塗料がいいか判断します。
下塗り塗料と中塗り塗料にも相性があります。これらの相性が悪いと耐用年数を待たずに、剥がれたりひび割れたりします。
中塗り塗料と上塗り塗料は基本的に同じ塗料を使用するので、特に相性を考える必要はありません。
台風によるひび割れを放置するとどうなる?
台風によるひび割れを放置すると、次の悪影響を及ぼす可能性があります。
- 雨漏りが発生する
- 建物の劣化が進行する
- カビが発生する
- 白アリが発生する
- 美観性が低下する
雨漏りが発生する
ひび割れている箇所から雨水が侵入して、雨漏りが発生してしまいます。ひび割れが発生した直後は雨漏りしていなくても、雨は道を作って徐々に室内へ侵入してきます。
建物の劣化が進行する
ひび割れを放置していると、サイディングやモルタルの下地である木部が雨水により腐食してしまいます。
腐食がかなり進行してしまうと外壁材ごと取り換える工事をする必要があります。
カビが発生する
ひび割れから雨水が侵入すると建物内の湿度が高くなり、カビが発生しやすい環境を作り出してしまいます。
建物内にカビが発生してしまうと、空気中にカビ菌が飛散し、それを体内に取り込んでしまうことで、感染症や中毒を引き起こしてしまいます。人によっては命の危険にさらされることもあります。
白アリの発生
ひび割れを放置すると白アリが発生しやすい環境を作り出してしまいます。白アリは常に高い湿度に保たれている場所を好みます。
ひび割れから雨水が侵入すると建物内の湿度が高くなり、シロアリにとって住みつきやすい環境が出来上がってしまいます。
美観性が下がる
外壁にひびが入っていると、建物が劣化している印象が強くなってしまいます。
お家から帰ってくるたびにひび割れが目に入ると、落ち込んでしまいますよね。
台風によるひび割れには火災保険は使える?
台風によるひび割れには火災保険を活用して補修が可能です。
基本的にどの火災保険も台風などの自然災害による被害に対する補償を提供しています。この被害にはひび割れだけでなく、へこみや剥がれも含まれます。
もちろん、そのひび割れが台風によるものでなければ、補償はされません。しかし、実際のところ、そのひび割れが台風によるものかは誰にもわかりません。なおかつ、日本は毎年大型台風が直撃するので、なにが原因で起こったかわからないひび割れでも「台風によるひび割れ」として申請することができます。
弊社で過去にどういったケースで火災保険を適用したか、また、補償範囲を詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください!
>>火災保険修繕リフォーム
台風による外壁のひび割れの場合の火災保険の申請方法
火災保険申請の手順は次の6ステップからなります。
- 保険会社へ連絡
- 修理業者への連絡、見積もり依頼
- 書類の作成
- 保険会社へ書類を送付
- 保険会社による鑑定人の調査
- 保険金の入金
以下で、詳しくご説明します。
1.保険会社へ連絡
まずは保険会社の事故受付窓口へ連絡します。
人によって代理店経由で保険に加入している場合があります。その場合は、代理店に連絡することで保険会社への連絡を代行してもらうことがあります。
現在ではインターネットを使用して窓口へ連絡する場合もあります。
保険会社へ連絡した際に、ひび割れがいつ発生したかなどを聞かれる可能性があります。保険会社へ連絡する前に被害の日時を明確に把握しておきましょう。
台風によるひび割れの場合、近隣の住宅にも同じようにひび割れが発生している可能性があります。保険会社が込み合う前に、早急に連絡をするようにしましょう。
2.修理業者への連絡、見積もり依頼
修理業者への連絡はご自身でする必要があります。
台風による外壁のひび割れを業者に依頼するなら外壁専門の塗装会社を探すとよいです。
業者を選定する際に参考にするのは、過去の実績を公開しているか、口コミを見て怪しいコメントがないかなどです。これらを総合的にみて判断しましょう。
3.書類の作成
保険会社へ提出する書類を作成します。
保険会社へ提出する書類は以下のものがあります。
- 保険金請求書
- 修理見積書
- 罹災物件写真
- 罹災証明書
- 事故内容報告書
- 損害明細書
- 住民票
- 印鑑証明書
- 建物登記簿謄本
- 保険金直接支払指図書
保険金請求書
保険金請求書は損保会社から書類をもらう、もしくはWEB上で手に入れます。保険金総額が高額の場合は実印が必要になるケースがあります。
この書類は火災や自然災害、盗難などすべての損害に必要な書類となります。
修理見積書
修理見積書とは修理会社に依頼して作成してもらう見積書です。修理内容、材料の数量・単価が記載されている必要があります。
罹災物件写真
建物の全体像と被害箇所の写真を撮影します。被害箇所はなるべく多く提出することで保険金の取り残しを少なくすることができます。
罹災証明書
所有する建物が壊れた場合に、各自治体に発行してもらいます。被害を被っている事実と被害の内容を証明するのに使われます。
事故内容報告書
いつ、どの箇所が、どのように壊れたかなど、事故の概要を報告する書類です。
損害明細書
家財などの損害品を記載します。
住民票
自治体から取り寄せます。
印鑑証明書
自治体から取り寄せます。
建物登記簿謄本
保険会社に提出を求められる場合があります。法務局で取得します。
保険金直接支払指図書
保険金請求権に質権設定がされている場合に必要になります。保険会社から取り寄せます。
これまで紹介した書類の中でも、保険金請求書、修理見積書、罹災物件写真はほとんどの保険会社の場合で必要になります。
弊社で工事を依頼していただいた場合、これら報告書を無料で作成しております。詳しくはお電話でお問い合わせください。
4.保険会社へ書類を送付
書類が準備できたら、その書類を保険会社に送付しましょう。
5.保険会社による鑑定人の調査
申請した後に、保険会社から損害保険登録鑑定人が派遣される場合があります。
火災保険申請を保険会社が受けたときに、保険会社が書類を確認してそのひび割れが台風によるものと認めるには無理があると判断した場合に損害保険登録鑑定人が派遣されます。
損害保険登録鑑定人は、提出された見積書と実際の被災状況を比較して調査を行います。
6.保険金の入金
まず保険会社から保険金確定の電話が来ます。その連絡から約2~3週間後に保険金確定通知書が届き、保険金が入金されます。
火災保険申請には以上6ステップの手続きを踏む必要があります。弊社のホームページで実際の火災保険の手続きについてのページを設けているので、よければご確認ください。
台風による外壁のひび割れにかかる補修費用相場は?
基本的な外壁ひび割れ補修の費用は1平方メートル当たり約2000円から2500円、一回当たり約1~5万円です。高所にひび割れがみられる場合は足場を組む必要があるので約20万円から50万円に跳ね上がります。
台風による外壁のひび割れは自分で補修できる?
台風による外壁とひび割れは自分で補修できます。ただし、おすすめはしません。
なぜならそのひび割れが、外壁の下地や構造部分の補修が必要になるものである可能性があるからです。
自分で補修する場合は
- セメント粉を塗布
- コーキング材を充填する
という方法があります。
セメント粉を塗布
ひび割れがある箇所がモルタルなどセメントが定着する外壁材の場合、ひび割れ部分に防水材をしみこませてセメント粉を塗りこむことで補修できます。セメント粉にはチョーク式とスプレー式の2種類があります。
チョーク式の場合は、セメント粉のチョークを手にもってひび割れ部分に直接塗りこんでいきます。力を加えないとセメントが定着しないので男性向けの方法です。
スプレー式は、ひび割れ部分にセメント粉のスプレーを噴射するだけなので女性や高齢者の方も簡単に使用できます。噴射時に周りにセメント粉が付着してしまう可能性があるので、補修部分の周りはマスキングテープなどで養生しておきましょう。
コーキング材を充填
ひび割れ部分にコーキング材を充填して穴をふさぎます。用意するものはこちらです。
- コーキング材
- コーキングガン
- マスキングテープ
- 下塗り材
- ヘラ
道具の準備ができたらひび割れを補修していきます。
実際の道具や、工程は以下の記事参考にしてください。
>>大阪府大阪市 劣化したシーリング材を交換!プロのシーリング工事をご紹介
台風による外壁のひび割れを補修する業者の選び方
外壁のひび割れを補修する業者を選ぶ際に気を付けることは以下の3点です。
- 業績をしっかりと公開している
- 口コミ評価が高い
- 相見積もりをする
まず業績をしっかりと公開している業者を探しましょう。業者発信の業績だけを見ても信頼するには不十分なので、グーグルの口コミや知人に聞いてみて実際の消費者の声を参考にしましょう。
これらを考慮して複数の業者をピックアップするようにしましょう。手間がかかりますが、外壁の劣化によるひび割れの場合は外壁の塗り替えが必要になります。大きな金額の工事を依頼するにはたくさんの業者を比較検討してベストな選択をしましょう。
外壁塗装の業者選びに失敗したくない、火災保険以外にも安くする方法を知りたいという方はこちらの記事を参考にしてみてください。
>>外壁塗装の費用の相場はいくらくらい?コストを抑えるために(2022年度版)
まとめ
最後にこの記事の内容を要約させていただきます。
外壁が台風でひび割れる理由としては台風の強風によって建物が揺れる、外壁塗料が経年劣化している、前回の外壁塗装工事の施工不良が考えられます。
ひび割れを放置すると雨漏り、カビ、シロアリ、外壁下地の木部の腐食など建物にとって深刻な問題につながるため、早急な処置が必要になります。
台風によるひび割れには火災保険を使用することができます。ひび割れ補修の相場からかなり安くで工事を依頼できる可能性があるため、火災保険の申請方法を確認しながら利用しましょう。
台風による外壁のひび割れは自分で補修することができます。しかし、そのひび割れが外壁の塗料の問題や、構造上の問題で発生している場合は根本的解決にはつながらないので、おすすめはできません。
業者選びは、その業者の実績、口コミを考慮して複数の業者に相見積もりを依頼するようにしましょう。
この記事を通して、台風による外壁のひび割れに対する対処方法の理解に少しでも貢献できていれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。